インド人と聞くと、いまだにターバン姿をイメージする日本人も少なくないと思います。
ですが、実際にインドに行くと、ターバンを日常的に巻いている人を見かける機会は少ないです。
では、インド人=ターバンのイメージはどこから来たものなのでしょうか。
実は、インド人のターバンにも、色々な種類があります。
ここでは、インド人が着用しているターバンと、その背景について、紹介したいと思います。
インド人=ターバンのイメージはここから?シク教徒のターバン
おそらく、デリーなどで見かけるターバン姿の男性は、ほとんどこれに当てはまるのではないでしょうか。
シク教という宗教の信者の男性が身に付ける、ダスタルと呼ばれるターバンの種類です。
シク教信者の男性は必ずこれを着用しなければいけません。ターバンのスタイルは、流派や地域によって異なります。
このターバンは日よけはファッションではなく、
シク教では、髪の毛やヒゲを生まれてから一度も切らないため、その長い髪を束ねるためにターバンを巻いています。
かなり大きな一枚布を使うため、巻く作業も一苦労のようです。最近では、そのままかぶれる帽子型のターバンも売っているそう。
こんな大きなターバンをしていたら、バイクのヘルメットとかかぶれないんじゃないの?と心配されそうですが、
分厚く巻かれたシク教のターバンは、ヘルメット代わりになるとして、法律でヘルメットの着用を免除されています。
このような宗教に対する寛容さは、様々な宗教を抱えるインドならではです。
もはや生活必需品? ラジャスタ―ン地方のターバン
インド北西部のラジャスターン地方の人々が着用している、パガリ―と呼ばれるターバンです。色々なスタイルや色があり、巻いている人の社会的な階級や、地域、またTPOによって使い分けられています。
自分たちの民族の誇りを示すための衣裳の一つですが、アイコンとしてだけではなく、非常に実用的なアイテムでもあります。
ラジャスターンは砂漠地帯を含み、日中の非常に日差しが強いため、頭を日光から守るため大きいサイズのターバンをゆるく巻いています。
日よけだけではなく、旅の途中の枕やブランケットとして使ったり、泥水を濾したりするのにも使うそうです。もはや生活にかかせない日用品のようなアイテムですね。
日常的には、単色のターバンが着用する場合が多く、2色以上のカラフルなターバンは社会的階級の高い人が着るか、結婚式や祭りなどの特別な場合に着用されるようです。
他にもいろいろあるインドのターバン
インド人の結婚式では、新郎が写真のようなターバンをかぶることがあります。
これは、主にムンバイなどを含むインド西部の地域でポピュラーな新郎の衣装です。
普段はかぶることはありませんが、結婚式や、式典など特別な機械に着用するターバンです。
ターバンの種類を知れば、もっと旅が面白くなる
その他にも様々な種類のターバンのスタイルがインドにはありますが、みなさんが旅行などで訪れた際によく見かけるであろう3つのターバンの種類について紹介してみました。
インド人だからターバンという訳ではなく、それぞれのターバンの種類とその背景を知ると、また世界の見え方が変わってくるのではないでしょうか。