インド人が映画大好きなのは、みなさんもう知っていますよね。
では、インド人の娯楽といえば映画が全てなのでしょうか。日々成長しているこの国では、人々の娯楽の種類もどんどん変化していっています。
現代のインド人が日々をどう楽しんでいるか、ほんの一部を紹介します。
飲酒
インドでは昔、飲酒は悪として考えられていました。禁欲に高い価値を置くヒンドゥー教では飲酒という「享楽」は良くないことと考えられ、また、イスラム教徒でも飲酒は厳禁とされています。
こういった宗教的な背景のため、町中でもお酒が飲める場所はとても少なかったようです。
唯一庶民がお酒が飲まためる場所は、ひっそりと営業している酒屋の奥にある飲酒室で、男性が立ち入れるのみ。私たちが考える居酒屋のような「明るいコミュニケーション場」とは無縁の雰囲気です。
ですが、最近は飲酒に対する意識も変わってきたようで、インド人一人あたりの年間飲酒量は毎年大幅に増加しています。
現在では、人口の3割が飲酒経験を持っているとされています。3割というよ少ないように感じるかもしれませんが、昔はほとんど0に近かったことを考えれば、大幅な増加です。
デリーやムンバイなどの大都市では、仕事帰りに同僚や友達とパブでお酒を飲むとうことが、ある程度余裕のある若者たちのライフスタイルとなっています。
また、地方都市でも、多くの若者が週末に飲酒を楽しむようになっています。
外食
ターリーや軽食を食べられる定食屋や、サモサやチャイなどの地域のお店は昔からありましたが、東南アジアの国で多くみられるような外食文化は、食事に対して保守的なインドでは見られませんでした。
ですが最近はファーストフード店の店舗がどんどん拡大しているようです。
日本でもおなじみのケンタッキーやマクドナルド、特にドミノピザが最も人気で、1996年の1号店オープン以来、店舗数はインド全土で1300を超える勢いです。
また海外からのチェーン店だけではなく、近頃では、インドの伝統的な食事をファーストフード的なマーケティング方法で販売する店も増えてきています。
インドに5店舗を構える、ビリヤ二のファーストフード店
BIRYANI QUEEN http://www.biryaniqueen.com/
若者たちを中心に、保守的な食習慣にとらわれない、新しい食事のスタイルを楽しんでいるようです。
SNS
個人的に、SNSはインド人のためにあるのではないか、と思うくらい、インド人好みのサービスだと思います。インドでは2億3000万人のSNSユーザーがいます。
インド人は、マジで写真が大好きです。みなさんも、インド人と一緒に写真を撮ってくれと頼まれたことや、「俺を撮れ!」と、写真がもらえるわけでもないのに撮影を強要してくる笑 ゆかいなインド人に出くわしたことがあると思います。
またインスタグラムなどをのぞいていると、スーパースターといわんばかりにポーズをばっちり決めきった、グラサン姿のインド人の写真が出てきたりしませんか?しかもけっこうサマになっているという・・・
とにかくインド人は、自分を主張することが恥ずかしいという感情がほとんどないと考えてもいいかもしれません。
とにかくいろんなポーズで自撮りをして、インスタやfacebookに上げまくって楽しんでいるようです。その自信、分けてほしい!笑
また、インド人は家族や友達との関係がとても濃いので、SNSが無い時代から、暇さえあれば友達や家族と電話していました。なので家族や友達の近況をリアルタイムで確認できるSNSは彼らにとって最高のコミュニケーションツールなんですね。
旅行
昔のインド人にとって旅行とは、聖地を巡礼することでした。新婚旅行なども一般的ではありませんでした。
ですが政府の観光開発の推進や、近年の経済成長に後押しされ、旅行ブームが到来しているようです。
テーマパークなどが建設されたり、国内旅行者向けのホテルが建設されたりして、聖地巡礼ではなく、純粋な観光・娯楽目的の旅行が人気になってきています。
例えば有名な観光地、バラナシを例にとってみると、10年前は、純粋に聖地巡礼目的のヒンドゥー教信者と、外国人旅行者がいるだけでしたが、この間訪れたときには、聖地巡礼というよりは、観光目的、どちらかというと私たち外国人旅行者目線で訪れているインド人旅行層が多いことに驚きました。
見知らぬ土地を旅して好奇心を満たす、そんな旅のスタイルがインド人にとっても身近なものになってきたようです。
もちろん旅先からのSNS投稿は忘れないようです笑
いかがでしたでしょうか。経済成長や、ネットでの情報収集が便利になるにつれ、インドの人々の娯楽の種類もどんどん変わっていっているようです。
インドを旅する旅行者にとっても、旅先での選択肢がどんどん広がっていくことは間違いないでしょう。