「インド旅行は危ない」とよく言われますよね。
私は10年にわたってインド女一人旅を続けていますが、これに対する答えは、「確かに危険はある、でも対処方法を知っていれば、危ない目に合う可能性はほとんどない」です。
一口に「危ない」と言っても、何がどのように危ないのかわからないと、変な怖さだけが先行してしまいますよね。
ここでは、インド個人旅行で具体的にどのようなことに注意すべきか、主に女性向けに紹介したいと思います。
①第一難関、デリー空港
大体の人は、インドの最初の入口はデリーの空港(インディラガンディー国際空港)になるのではないかと思います。
日本と同じ感覚で、空港についたらとりあえずバスか電車かタクシーで市内に向かおうと思っているかもしれませんが、この空港がインド旅行で最も注意すべきポイントです。
深夜到着の場合、必ず空港送迎を依頼するか、プリペイドタクシーを使用してください。ここで、声をかけてきたタクシーになんとなく乗ってしまうと、高い確率で勝手に旅行会社に連れていかれ、勝手に高額なツアーを組まされる可能性が高いです。
多くの日本人が、この手口にひっかかっています。空港送迎やタクシーは若干割高にはなってしまいますが、確実な安全をお金で買いましょう。
②ぼったくりに要注意
観光地のインド人は、観光客慣れしているためか、巧妙な方法で私たちからぼったくろうとしてくる人が多いです。
これは私が実際にひっかかった方法ですが、
例えば、ヘナタトゥーを100ルビーで描いてあげるという看板のお店でお願いをしたら、全て終わったあとに描いたタトゥーの大きさを測られて、
「5センチが100ルピーだから、トータルで500ルピーね!」と言われました。100ルピーって言ってたじゃん!と抵抗すると、「よく見て」と言って、
看板の見えなかったところに小さく「100ルピー (5センチ×5センチ)」と書かれているのを見せてきました。
「やられた・・・」と思いながら、「現金を持っていない」とウソをついて、200ルピーで示談となりましたが悔しかったです。
また、バラナシでガンジス河のあたりをぶらぶらしていると、マッサージ?と声をかけられます。
一度友人が怖いもの見たさでお願いしていたのですが、案の定価格は最初に聞いても教えてくれず、「As you like」「Money is not important」とか調子の良い言葉ではぐらかされます。
そして5分くらいと思っていたマッサージが30分くらい続いた後、2000ルピーを要求されました。
断ろうとすると、「こんなに長い時間マッサージしたのに、払え!」とすごい剣幕だったので
またしても「現金持ってない」作戦でなんとか500ルピーにまけてもらいましたが、想像以上にふっかけられて、逆切れされて、後味悪かったです。
基本的には、こういう観光地で声をかけてくる商売人からは何も買わないことですね。特に最初から値段を言わない人たちは要注意です。
あとは、オートリキシャの運転手も要注意です。最近はメータがちゃんと付いているので、出発する前にかならず倒してくれているか確認した方が良いです。
メータが壊れていて使えない、という言い訳されたら、そのオートリキシャに乗るのはやめておいた方がいいです。
あと、運賃をルピ―ではなくドルで言ってくる運転手も要注意。最後にレートの計算を間違っていたよ、とかなんとか言って高い金額をふっかけられる可能性が高いです。
③言い寄ってくる男性に注意
インドはまだまだ保守的な国なので、インド人の男性が気軽に女性に声をかけることは普通ありません。
ですが、特に観光地では日本人女性はめちゃくちゃ声を掛けられます。彼らに「遠慮」とか「シャイ」という言葉はありません。
中には、特に下心もなく、道を案内してくれたりする親切な人もいるのですが、そうでない場合も往々にしてあります。
私はすごく危ない目には合ったことはないのですが、危なかったかも、と思ったことが何度かあるので、ここで紹介しておきます。
1.ハンドマッサージ男
バラナシの路地にあるとある本屋さんに入ったときのこと、店の中には中年の店主が一人だけでした。「日本人か?」と話しかけられ、しばらく普通に会話していたのですが、店主のおじさんが、自分はアーユルヴェーダマッサージの資格も持っているから、ハンドマッサージをしてやろう、と提案してきました。まだあまり経験値のなかった私は、手だけならいいかと警戒もせずマッサージをしてもらいましたが、その途中に他のインド人のお客さんが入ってきたとき、そのおじさんはまるで悪いことを隠すかのように、さっとマッサージを止めたのです。
今考えれば、インドでは男性が家族以外の女性の体を、例え手であっても簡単に触ることはありえません。おそらくそのおじさんは、アーユルヴェーダといって興味を引いておいて、女性の手に触る口実としてマッサージをしていたのだと思います。手だけならいいや、と体に触れることを簡単に許してしまわないようにしてください。
2.宿のスタッフ
アグラで宿に泊まっていた時のこと、夜の9時ぐらいに、部屋をいきなりノックされました。最初はびびって無視していたのですが、ノックが続くので「何?」と英語でドア越しに応答しました。ドアの向こうのスタッフらしき男性はヒンディー語で何か喋りかけてきます。怖かったのでしばらく無視をしていると、そのスタッフはいなくなりました。結局その男が何をしたかったのかはわかりませんが、このような手口で、一人旅の女性の部屋に入ってこられたという話をときどき聞きます。不用意にドアを開けないように、もし夜であれば寝たふりをして無視してしまった方が良いかもしれません。
3.お家に招待男
レストランやホテルの従業員と顔見知りになって色々話すようになると、「今日家でご飯を食べない?」と誘われることがあります。
もしかすると本当に家に招待したいだけかもしれませんが、よっぽど信用できる相手でなければ行かない方が良いです。
最悪な場合だと、家に連れていかれて、抜け出せない状態で家族ぐるみでお金を要求された、という話も聞きます。
相手に失礼にならないように、でもはっきりと断りましょう。
最後に
以上、女性の目線から見た、インド旅行の注意点についてまとめてみました。
インドは女性一人では危ない、と言いますが、しっかりと危機管理を行えば決して旅行できないような国ではありません。
なんとなく危ないイメージだからというだけで、旅行を避けてしまうのはあまりにも勿体ないと思います。
事前におこり得るトラブルを想定して、対策をしっかりして旅を楽しんでください。